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東京オフィス物件市場の動向 – 2010年10月

  1. 直近の経済

    • 発表された2010年第2四半期のGDPは、第1四半期の年率換算で5%の成長率に引き続き1.5%の成長率を示した。輸出に牽引された日本経済は、その効果が国内の需要も喚起し安定してきている。
    • 円は、引き続き他国通貨に対して上昇し、欧米経済は、未だ先行きが不透明につき輸出の伸びにも悪影響があるのではと懸念されている。
    • 一方でアジア経済は、引き続き日本の輸出の伸びに寄与している。今後は、先進国同様にアジア各国の需要な成長率の伸びは、鈍化してゆく可能性があるが、それでも2桁近い成長率は、維持されると予想されている。
    • 2010年度は、8月現在でアジア向け輸出が56.2%を占め、輸出自体が全体として46.2%の伸びを記録した。アジア向け輸出は、2009年度において54.1%、2008年度が49.3%、2007年は、48.1%を占めた。これらの数字は、アジア圏内の貿易量の急速な伸びをあらわすと共に、欧州や米国の市場への依存度が減少していることを示している。
    • 2010年10月に日銀は、包括的な金融緩和策を発表した。日銀が過去に行った幾つかの緩和策の上に更に中央銀行がそれほど確信をもって積極的に金融緩和策を推進することは、驚きをもって受けとめられている。今回の施策は、3つの要素から成り立つ。:
      • 政策金利をそれまでの0.1%の水準から引き下げ0.1%から0.0%の間の率にした。
      • 日銀は、その政策の時限を明らかにした。日銀は、物価の安定に関する見解として対前年度で消費者物価指数が2%台未満の伸び率を示している、或いは大多数の経営者が1%台の成長率が達成されていると認識する状態にある必要があると述べた。これは、即ち確約されたとまだは、云えなくても概ねこのゼロ金利政策を2013年半かそれ以降までは、継続するであろうと云う事を示唆したことになる。それは、つまり市場では、消費者物価指数は、2012年末までは、上昇方向に転じないと見ているからである。
      • 日銀の公表した政策の内でその主要なものは、日銀が今後五兆円規模で市場からCP、ABCPや事業債、ETFやJ-REIT等のあらゆる金融商品を買い取ると云うものである。また日銀総裁が政策会議終了後に行った当該発表を受け、市場関係者は、恐らく2011年の早い時期に日銀は、この買い取り枠を更に量的に拡大し、対象資産の種類も増やす可能性があると見ている。
  2. 空室率の傾向

    • 年初に過去10年間における最高率を記録しても尚東京主要5区の空室率は、緩やかな上昇傾向を保ったまま8月には、9.17%を記録した。
    • 空室率は、そろそろピ-クを迎えるのではないかと云う事を示す幾つかの兆候がみられる。:
      • 千代田区と渋谷区の空室率は、今年に入ってから安定してきている。
      • CB リチャ-ド・エリスは、所謂S及びAクラスと言われるハイグレ-ドのオフィスに関して東京主要5区の空室率は、2009年第4四半期にピークを迎えたと報告している
      • 大手の賃貸仲介業者は、オフィスへの需要は、健全な方向に進んでいると云っている。幾つかのテナントは、オフィススペ-スの縮小とかより安い賃料の物件への転居を目的とするのではなく、増床やより高いグレ-ドの物件へ移り出している。
    • 2011年の新たなオフィス供給量は、直近の3年間と同様に23区の何れにおいても過去10年間の平均値を下回っている。
  3. 賃料の傾向

    • 東京主要5区の賃料は、高い空室率の影響を依然として受けて伸び悩んでいる。主要5区の平均賃料は、ピーク時だった2008年の水準から約2割下がっており、これは、過去10年間の最低水準とほぼ等しい。
    • CB リチャ-ド・エリスは、東京主要5区のハイグレ-ド物件の賃料は、既に底を打ったことを示唆する発言をしている。
    • 一般的には、賃料が完全に底を打つには、空室率が更に改善する必要があり、もう少し時間がかかると見られている。
  4. 最近の主な取引

    • 東京の大規模オフィス物件の市場における主要なプレイヤ-は、依然として大手J-REIT及び一般事業法人である。J-REITのスポンサ-によって抱えられていた物件は、金融市場の流動性が回復してきた結果、相当に改善してきている。
    • 東京の大規模オフィス物件への投資市場に新たに参入してきた海外投資家も幾つか見られる。
      • 幾つかの投機的なファンドは、スタンダ-ドクラスの物件への投資を行った。今の市場のデット供給量と同クラスの市場への期待度が合わさると、魅力のある投資として映るようだ。
      • ある欧州系投資家は、コア物件の取得に成功した。
      • シンガポ-ルや中国等のアジア系の投資家は、これまで主に住居用物件、ホテルや商業施設等に注力してきたが、今後は、同クラスへの投資も試みる可能性がある。
  5. Details:

    1. Office Vacancy Trend


      (Source: Miki Shoji)

    2. Office Rent Trend


      (Source: Miki Shoji)

    3. Recent Transactions (in excess of JPY 5 Bio)


      (Click to enlarge)

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