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東京オフィス市場動向 - 2009年 11月

  1. 最新の経済状況報告:

    • 2009年第3四半期は、4.8%の成長率を記録。これは、ここ数年では、2007年第1四半期に5.7%の成長率を示して以来の高成長率。第2四半期比では、+1.2%の成長率(当初予想は、+0.8%)と予想を上回った。日本経済は、第2四半期(+2.7%)に引き続き、2四半期連続で成長を続けた。
    • 成長率は、国内の個人消費(+0.7%、企業による設備投資(+1.6%)と輸出の伸び(+6.4%)によって支えられた。
    • 回復は、世界的な需要の改善から起因する輸出の伸び、個人消費や政府による刺激策に引っ張られた。
    • 日本政府は、名目的GDPの4.2%に相当する景気刺激策を約束した。これは、G20による同様の景気刺激策の平均値である2.6%を大きく上回る。
    • 新たに与党となった民主党中心の連立政権は、これまでの政権と異なり、公共事業や地方の開発事業中心の政策から長期的な個人消費を助長する政策へと転換する可能性が高いと見られている。
    • 邦銀は、それぞれが抱える不良債権問題は、比較的軽微であり、悩ましい海外市場発行のCMBSの保有残高も極めて限定的と考えられていたにもかかわらず、三菱東京UFJフィナンシャル・グル-プは、資本増強策として一兆円(112億米ドル相当)の大規模な新株発行による増資をは発表した。市場は、みずほグル-プやSMBCも同様に追随するものと予想している。これは、元々貸出額の150%を上回る預金による流動性に支えられた邦銀の信用力や問題債権処理余力を更に増強するものと見られている。
    • 2011年までの当分の間は、インフレの懸念がない上、円高の状況も合わさり、引き続き現在の低金利の状態は、続くものと考えられる
  2. 空き状況:

    • 所謂「東京5区」の平均空室率は、2009年6月に7%を超えた。 空室率の上昇基調は、依然として続いているが、大規模ビルのオ-ナ-が賃料を市場水準に下方調整することで、空室率を低下させることに成功していることも寄与して、空室率が上昇する速度には、一定の歯止めがかかってきた
    • 「伝統的地域」の中で千代田区、中央区の空室率は、比較的低めに保たれた(千代田区6.5%、中央区6.4%)が、その一方で「新興地域」の新宿区、渋谷区や「伝統的地域」の中でも不安定な六本木を有する港区は、2003年当時に迫る8%超と云う高い空室率を示した。
    • 大規模ビルの占める比率は、それほど大きくない為、我々が狙う中規模ビルにおいては、その市場を注意深く検証する必要がある。
  3. 賃貸料の動向:

    • Sクラスのビルは、引き続き大幅な賃料の下落に直面している。 なかには、サブマ-ケットでピーク時から40%近い下落となっているところもある。 両東京5区の平均空室率は、7%台に突入。但し、空室率の更なる上昇圧力は、弱まってきている。
    • 「伝統的地域」の千代田区・中央区は、相変わらず比較的空室率を低めに抑えているが新宿・渋谷等の「新興地域」や「伝統的地域」でも六本木のような、影響を受けやすい地域を持つ港区は、テナントの解約が相次ぎ空室率8%という2003年度の水準に近づいてきている。
      市場調査によれば、千代田区・中央区等の中心的2区と港区の一部では、空室率が7%を超えることは、無いと見られている。
  4. 最近の取引:

    • 伝統的な不動産保有者や鉄道会社のような国内事業法人が市場の取引の主役として脚光を浴び始めている。
    • 中規模のREITも、日本開発投資銀行を始めとするスポンサ-に支えられた不動産市場安定化ファンドのお陰で、必ずしも売却のみに追い込まれずに済んでいる。
    • 三井不動産のジャパンリアルエステ-ト投資法人、日本アコモデ-ションファンド投資法人やケネデックREIT等の大手REITは、増資を発表或いは、既に増資実行済みで、その資金で新たな不動産を買っている。
      政府が打った一連のREIT救済策は、比較的成功していると云える。
      伊藤忠のアドバンスレジデンス投資法人とパシフィック・ホ-ルディングスの日本レジデンシャル投資法人、東京グロ-スREIT投資法人とLCP投資法人、ニュ-シティレジデンス投資法人と大和ハウスのビ-ライフ投資法人、三菱UBSとジャパンリ-テ-ルファンド投資法人とラサ-ル投資法人等、発表されている様々なREIT間の合併は、REIT間の簿価の調整の過程で、一定の損失をも伴った物件売却が起こる可能性を秘めている。
    • 一定規模の資金の借り換えに苦しむREITや私募ファンドは、既存の貸し手からの圧力に屈し、市場価格での物件処分に追い込まれるところもあろう。但し、それによって市場がどのような影響を受けるかは、現在の回復基調にある経済環境が今後どの程度の安定した耐性を築いてゆけるかによって変わってくるであろう。
    • 市場参加者の多くは、投資に見合う物件の供給は、引き続き限定的であろうと考えている。

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